引越しコラム column

県外への遠距離引越し、幼稚園の子どもの理解度は?どう伝える?


img_infant_unerstand_64

幼稚園児のいる家庭での引越しの時、子供がどの程度理解してくれるのか気になりますね。仲の良い友達と離れたくなくて泣き出すかもしれません。あるいは、引越しのその時まで意味が分からず、のほほんとしているかもしれませんね。

県外へ移動することに対して、必要以上に子どもに申し訳ないと思うことはありません。親の都合や方針、やむ得ない事情です。家族が一緒に生活していく上で、新しい環境に移る機会もあるはずです。よく考えたうえの選択なので、納得してくれるはずです。

子にとってお父さんお母さんがいる場所が我が家ですから、家そのものや土地についてはそれほど執着がないかもしれません。けれど越すことが分かったら、早いうちから家を出て新しい場所に行くことを教えておいた方が良いです。小さくても立派な家族の一員、一家にとってとても大事なイベントなので、あなたはどう思う、と相談する態度も必要です。なぜ引っ越さないといけないのか、向こうに行くとどんないいことがあるのか、次はどんなところに住もうか、一緒に話すことで親としても勝手な都合で連れていく申し訳なさが和らぐのではないでしょうか。

 

分かりやすい言葉で、引越しに対する理解を深めてあげる

生活の変化はできるだけ詳しく、今通っている幼稚園はやめて違う園に行くこと、新しい生活のことなど繰り返し教えてあげることが大切です。引越しに対する理解度を深めてあげましょう。

できるだけ子供に分かりやすい言葉で、新しい住居や環境のことをアピールすると良いです。家を擬人化したり、お話や例えにしてあげると分かりやすく、呑み込めます。賃貸のお家なら、今のおうちは図書館の本のように借りている家であること、私たちが住む前も他の人が借りていたことを説明します。

また他の人に貸してあげるから、今度のうちはお父さんお母さんが選んだお家だからきっと素敵よ、というように想像が膨らむ話し方がいいかもしれません。納得すると、とたんに安らぐのが小さな子の良いところです。できるだけ子どもが気持ち良く受け入れられるように考えてあげましょう。

仲の良い友達なら事前に引越しがあることを伝えて、友達も一緒に理解して、引っ越すんだね、さよならだね、と気持ちの整理をつけていくと安心です。幼いとはいえ見ていないところで日々成長しているので、大人が思う以上に理解度は高いかもしれません。日常のやりとりの中で、もうすぐいなくなっちゃうんだね、とお互いに別れを確認しあう場面もあるかもしれません。だから仲良くしたい、いっぱい遊んでおきたい、友達を大切にしたいという気持ちの芽生えや、別れの経験で成長することもあります。小さいからと思わずに、真摯に説明してあげることが大切ですね。

 

新しい幼稚園に馴染めるようにフォローを

また、新しい幼稚園が全く違う雰囲気なので、怖気づいたり戸惑うことが多いでしょう。全く違う友達や先生、生活の決まりの中へ飛び込むことは、やはり大変です。新しい環境になれるのが早い子供とはいえ、回りの子たちは既に園の生活になれている状態なので、生活手順や友達の輪に入る先生のフォローや、ストレスを感じやすい初期の大人のフォローも欠かせません。生活プログラムが違ったり、細かいルールやお弁当や給食、お迎えスタイルの違いなど色々なケースがありますね。

小さい子は適応能力が高いから、年齢が低い小学校前の年齢ならすぐに新しい環境になれると言われています。しかし、そろそろ自我が育って個性が出てくる頃です。適応の様子もその子によって大きく違います。不安ながらも新しい環境に馴染もうとしていく子もいれば、登園したくない、別れ際に泣き出す子、慎重に様子をうかがう子もいます。性格的に人見知りが多かったり、慎重だと時間がかかるかもしれません。

けれど、引越し前に通っていた先だって、入園したばかりの最初のうちは子どもも親も不安でしたね。そのころのことや、慣れてきてからのことを思い出して、大丈夫、親の前では甘えていても園では意外とケロっとしていたり楽しいこともあるはず、と自信をもって送り出してあげましょう。

幼稚園は先生と子どもたちの距離がとても近いので、気にかけてくれるチャンスが多いです。ずっと泣いていないか、給食をちゃんと食べているか、友達とお話したり遊んでいるかなど、日常の様子をきちんと見ていてくれます。気になることはお迎えの時に聞いたり、メモなどで連絡を取り合うこともできます。学習面より、生活のルールやお友達とのやりとりを重視する段階なので、対応にも柔軟性が高いです。小学校より確実に馴染やすくて安心ですね。

 

大人の方が新しい環境にストレスを感じる

大人の方が、引っ越したばかりで慌ただしく、新しい環境にストレスを感じることもあるでしょう。地域の育児に対する姿勢の違いや設備に戸惑いもあります。日常生活の勝手の違いから時間のロスも多く、母親は知り合いがいない場所に馴染めないことがストレスになりがちです。子どもの様子に苛立ちを覚えることもあるかもしれません。幼稚園に行きたくないと言い出したり、周囲に攻撃的になったり、困ることも多いです。帰ってきたら、今日はどんなことをして遊んだの、と声をかけたり、様子をみながらスキンシップをとることも大切です。触れ合うことや笑顔を見ることはお母さんにとっても癒しになります。

家族みんながやがて慣れていくまで、ゆっくり時間をかけて楽しみましょう。幼稚園が終わったら、たくさん話を聞いてあげて、家族で早めに休む生活を心がけて疲れをとると良いですね。休日は新しい場所を探検に出かけたり、遊び場所を見つけて、大人も子どもがリフレッシュできるように心がけたいです。

何よりお父さんお母さんが楽しそうにしている様子、優しい声掛けが子どもを励ましてくれます。自然と引越してよかったね、と言えるような楽しい家庭にしたいものですね。そんな雰囲気の中なら、住んでいる地域や周囲の記憶はまだ曖昧な段階なので、環境の変化は大して気になりません。あっという間になれていって、一回り大きくなって小学校に通うようになるはずです。