引越しコラム column

寂しい海外での一人暮らしから運命の出会い


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ドイツ留学

今から10年ほど前の話です。私は生まれてから20年間大阪の実家を離れたことがなく、引越しとは全く無縁の生活を送っていました。

家から目と鼻の先にあった小学校、中学校、高校とは違い、当時通っていた大学は大阪の北の端っこにあり、毎日電車とバスを乗り継いで片道2時間近くもかかる距離でした。

それでも第一志望だった大学でドイツ語を専攻して毎日充実した日々を送っていました。

私の大学では4年生になる前に多くの学生が約1年、専攻学科の国に留学することになっていました。

当時二十歳だった私も周りのみんなと同じように留学することになり、10年前の冬に重いスーツケースをさげて極寒のドイツへと旅立ちました。

 

一人の青年との出会い

私が住んでいたのは東ドイツのとある街で、日本の自分の大学からは他に誰も留学していなかったので、最初の頃は本当にひとりぼっちで、普段とても呑気な私も狭い学生寮での一人暮らしは精神的にこたえました。

住み始めて1ヶ月過ぎた頃、知り合いの日本人女性からとあるドイツ人学生の語学パートナーになってくれないかと頼まれました。

私は留学したものの、その時点では大してドイツ語が話せるわけでもなく、学生寮などで知り合った友人たちも外国人ばかりで、ドイツ語よりも英語で会話する機会の方が多いくらいだったので、これはいいチャンスと思い引き受けました。

このドイツ人学生とは、毎週会いお互いの言語を教えあい、いつも楽しい時を過ごしました。

出会って半年ほどで、お互いが特別な人だと意識し始めました。

 

全ては運命 4度目の引越しは?

思い返せば、この街を留学先に選んだのも、「世界遺産」という番組で取り上げられていたのを偶然目にして一目惚れのような感じで決めたということもあり、その夢の街で、彼と一緒に行ったカフェ、オペラハウス、公園、旧市街などはすべてが今でも鮮烈な思い出になっています。

留学を決めたことも、この街に来たことも、日本女性の紹介を受けたことも、今思うと全部が繋がっていて、運命だったのかなと思います。

のちに私の夫となるこのドイツ人学生は、私の帰国後逆に日本に1年留学してくれました。

私のドイツ留学は彼に出会うための引越しで、彼の日本留学は私に再会するための引越しだったといえます。

結婚後は私が渡独して、あのかつては引越しに無縁だった私がここ3年で3度も引越しを経験しています。

引っ越すたびに最初は不安が押し寄せるものの、数ヶ月後にはその地に根を下ろして暮らせている自分がいます。

4度目の引越しはできれば夢のマイホームに、と今から夫と話しています。