引越しコラム column

引っ越し先のお隣さんと恋に落ちる…かも?


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引っ越しはとにかく慌ただしいもの。手続きや荷物の運搬といった雑務的なものだけでなく、人間関係が大きく様変わりするのも春の引っ越しの恒例行事です。

しかし別れがあれば出会いもあります。最近はお隣さんに引っ越しのご挨拶も治安が悪くてあまりしない方がいいという話も聞きます。

ですが、私はそうは思いません。よっぽど高級なマンションでないかぎり生活音でお隣さんとはお互いに迷惑をかけあいます。だからこそ、引っ越ししたての時にご挨拶にうかがっておくことが必要です。

それに、引っ越し先のマンションでは出会いが無いともかぎりませんから…!

 

引越しのご挨拶から

私は大学進学時に地元を離れて京都で一人暮らしを始めました。

引っ越しの片付けが大方済むと両隣の部屋の住人に挨拶に行ったのですが、右隣の部屋には社会人の女性。柔らかい物腰のすてきな方でした。そして左隣には同じ大学の同い年の男の子。学部は違いますが今年から同じ大学に通う人と初めて出会い、嬉しくなった私はこの人と仲良くなりたいと思いました。

最初は普通にお隣さんとして仲良くなりたいと思っていただけでしたが、そこから授業の取り方やオリエンテーションの分からない所の相談といった大学のことから、調味料の貸し借りをお互いにするようになり、だんだん距離が縮まっていきました。

私は料理はからっきしダメですが、そのお隣さんは女子力のかたまりのような人で、「ケーキを作った」「おかずをつくり過ぎた」と言ってはお裾分けをしにインターホンを鳴らしてくれました。

次第に「タッパーを出すのが面倒くさいからもう部屋に食べに来い」と言われて夜家にいる時はお隣さんちでご飯を食べるようになりました。私はお返しに食材だったり部屋で育ててるバジルやパセリを持って行きます。

こんな関係を聞いたら、付き合っていると言ってもおかしくありませんよね。でもそう上手くはいかなかったのです。

 

平行線のまま

そこまでしておいて付き合ってなかったのかって言われると、結局告白することもされることも無く終わりました。

私は彼のことは好きでした。

ただ、彼は私がホステスのアルバイトをしているのを知っていました。奨学金で学費はなんとかなるのですが、生活費と将来のための貯金のためにお金が必要だったので一番効率のいいアルバイトだと考えてこの仕事を選びました。

彼は仕事に理解を示しくれていましたが、私はなんだか引け目を感じてしまって告白することができませんでした。

彼のこと諦めようとお店のお客さんやホストと付き合ったこともありました。でも、お隣の彼と一緒にいる時ほど楽しくも心地よくもありませんでした。

 

「好きだった」で終わった

そんなことをしながらいつしか卒業を控えた時期になりました。私は地元に、彼は東京に行く事になりました。

私が先に引っ越すことになり、部屋の引き払いの日に今までで初めて、お隣さんと外でご飯を食べる事になりました。

そこでなんと彼に「好きだった」と言われました。草食男子と自虐系女子の両片思いでした。お互い遠距離恋愛が無理なので「好きだった」という過去形で終わりました。

 

今思えばとても幼稚な関係でしたが、彼がいたからきっと暮らしてこれたんだと思います。こんな出会いもあるのです。引っ越しも悪くはないのです。あなたのお隣さんはどんな方でしょうね?