引越しコラム column

別れて引越しても思い出は街に残る。別れは辛くない。


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私の別れと引越しの思い出を話します。別れたばかりのときは辛かったですが、今は電車の窓から彼の家を見るたびに幸せな思い出に浸っています。別れはずっと辛いわけではありません。

大学生の時、同じバイト先に1歳年下の学生がいました。それが別れた彼です。当時その彼から告白され付き合うことになり、付き合ったり別れたりを繰り返しながらでしたが、社会人になっても続きました。結局別れてしまいましたが私の青春そのものでした。

 

全ては彼の部屋から

彼は地方から出てきて一人暮らしをしていました。彼の家は私がいつも使う私鉄から2個目の駅にあり、電車の窓から眺めることができました。私は実家だったため彼が私の家に来ることはなかなか難しかったので、私が彼の家に行くことがほとんどでした。

付き合いのきっかけはというと、バイト先のみんなが彼の家で集まって遊んでいたときのことで、何かの拍子にベランダに二人で出て、その時に告白されました。なのですべては彼の部屋から始まったようなものでした。

深夜に彼の家から自転車で遠くのカラオケに行ってみたり、夜通しDVDをみたり、彼が手作りのご飯を作ってくれたり、彼が風邪を引いたときは看病しに行ったり、いろんな時間を一緒に過ごしました。

いいときばかりではなく、気持ちが変化して別れたり、寂しくなって戻ったりを繰り返しました。それでも私はずっと彼のことが好きでした。でもいつのまにかその好きが違う気持ちになっていることには気が付きませんでした。

 

言えなかった愛してる

ある日、彼から俺のことどう思ってる?と聞かれました。当然「好きだよ!」とか「愛してる!」とか言えると思っていたのですが、言えなかったのです。嘘をつくことはいくらでもできたのかもしれませんが、言えなかったのです。

もう好きという気持ちではなく情のような気持ちしかなくなっていました。彼は何も言わなかったのですが同じような気持ちだったのではないでしょうか。それが最後の別れとなりました。

半ば冷めたような状態でしたが、別れとなると単純ではありません。いいことを思い出すと悲しくて辛くてたまりませんでした。何も手につかず今後孤独に耐えることが不安で、かなり落ち込んでいました。

しかしそれから車生活に変わり、私鉄もあまり乗ることがなくなり、次第に彼への気持ちの整理ができるようになりました。共通の友人から、彼は引っ越して遠くの街で働いていることを聞き、彼のことはだんだん考えなくなっていきました

 

電車の窓から眺めてしまう

しばらくして私鉄に乗る機会がありました。ふと眺めていると彼の住んでいたアパートが見えました。

もう彼が住んでいないアパート、もう二度と行くことはない部屋、大切な思い出がつまった場所、もうどうすることもできない、私の目からは涙が溢れていました。

でも思ったのです。彼はもういないけれど私の中にその部屋にある思い出は消えることはありません

時が経ち、今は私も結婚し、引っ越しをして別の街に住んでいます。たまに近くを通るとふとアパートを見てしまいますが、でももう涙が溢れることはありません。彼との思い出、彼の部屋での思い出は私の宝物です。

引越しをしてその人がいなくなっても、大事な思い出は消えることはありません。辛くて悲しい時期があったとしても、いつかきっと思い出が宝物になっています。今別れと引越しをしようとしている方がいるとしたら、それはとても辛いと思いますが、もっと先を見ると心配する必要なないはずです。少しでも勇気にしてもらえればと思います。