気をつけよう 妊婦さんに与える引越しのストレス
引越しをするとなると、スムーズに新生活へのスタートを切れるか、すぐに馴染めるかなど心配になります。
ただでさえやることが多く、心身共に疲れてしまうのが引越しですので、妊婦さんが行うとなると大変です。ストレスによりイライラしてしまったり、ホルモンバランスの影響で精神的に不安定になりナーバスになってしまう可能性もあります。
できれば妊婦さんが引越しをするのは避けた方が良いのですが、どうしても引越さなければならない場合には負担のかからない方法を模索しなければなりません。
一人で全てを行おうとするとストレスになりますので、パートナーや親せきなど、手の借りられる相手には事前にお願いしておくことが大切です。妊娠中には重いものを持つことはできませんし、つわりで思うように準備がはかどらない日もあります。
また、医師により安静にするように指導されることもありますので、いつも同じように準備ができるわけではありません。それらのことを考えると、家族で協力し合いながら少しずつ準備を進めていくことが重要です。
妊娠初期
妊娠初期には、つわりがもっとも酷くなります。食欲がわかなかったり、食べられなくて貧血になる人も多いようです。その上、慣れない妊婦生活でストレスがたまり、何気ないことに不安を感じて情緒不安定になってしまう人もいますので、できるだけリラックスして過ごすことが大切です。
流産しやすいこの時期の引越しは望ましいとはいえませんが、期日が決まっている場合にはできる範囲で行うようにします。最近では荷物の搬出だけでなく、荷ほどきまで行ってくれるサービスもあります。少々費用はかかりますが、妊娠中の体のことを考えたら、もっとも負担の少ない選択です。
妊娠中期
中期に入ると少し落ち着いてきます。つわりが全くなくなる人もいますが、多少残る人もいます。お腹は少しふっくらとし、体調の良い日が増えてきます。妊娠している状態に慣れてきますので、通常通りの生活を送る分には問題ありません。
妊娠中に引越すならこの時期がもっとも適しており、比較的自由に動き回ることができます。もちろん無理はいけませんが、食欲もあって体力も回復していることが多いので、動くことによる影響はあまりありません。
ただし、中期にも危険はあります。重い物を持つことは厳禁ですし、頻繁に張りを感じる場合には早産のリスクも出てきます。ちょっとした体調の変化がストレスになりますので、体調管理には十分注意をしながら引越しの準備を進める必要があります。
初期の頃のホルモンバランスの乱れによる不調よりも、体の変化による不調の方が大きくなっていくのもこの時期です。お腹が大きくなっていくことにより行動が制限されてしまうケースが多いので、それがストレスになることもあります。
妊娠後期
妊娠後期はお腹が大きくなって、体も思うように動かせません。引越しはとても大変になりますので、実際に動くのはパートナーや依頼した親せきになります。自分で動く場合と違って考えていたように進まないケースも出てきますが、スケジュールと多少違ってしまってもゆったりとした気持ちで構えていることが大切です。
無事に家具のセッティングと荷ほどきまでできれば良いくらいに考えて細かなことを気にしないようにすると気持ちが楽になります。
また、妊娠後期に引越さなければならなくなった時、当日に陣痛が起こる可能性もゼロではありません。荷ほどきが終わっていなくても入院セットが出せないなどということがないように、入院セットだけは別にしてすぐに分かるようにしておくことが大切です。
妊婦さんは陣痛がくると何もできずに病院に直行することも多いので、家族もどこに何があるのかを把握しておく必要があります。入院に必要なものをあらかじめリストアップして目立つところに置いておけば、いざという時に慌てずに済みます。
医療機関を見つけておくこと
妊娠中に引越す際には、引越し自体だけでなく、検診機関にまで気を配らなければなりません。遠方に引越す場合には、それまで通っていた医療機関を受診できなくなります。
それまで何かしらのトラブルがあった場合には、その経過を知っている医師にずっと見てもらうのがベストな選択ですが、やむを得ず他の医療機関を受診することになる場合には、経過が分かるようにしておかなければなりません。そのトラブルを事前に知っておいてもらうことで、不測の事態に備えることができます。
引越し先選び、荷づくり、業者の手配、荷物の搬出、荷ほどき、様々な機関への届け出など、やることはたくさんあります。体調の優れない妊婦さんにとってはどれも大変なことです。比較的体調の安定する5カ月から7カ月ごろに行ったとしても、精神的には色々なストレスがかかり、体調面への影響が心配です。
ストレスによる影響でお腹が張ってしまったり、胃腸に不調が表れるケースもありますので、体調の変化は見逃さないようにすることが大切です。いつでも医療機関を受診できるようにしておけば、いざという時にスムーズです。
まとめ
妊娠中には様々なトラブルがつきものです。ちょっとした変化も見逃さないように、検診はきちんと受けておくようにします。普段よりも少し動きすぎたと感じたら、翌日は安静にしておくことが大切です。
張りの強い人は動いた後の張りをいつものことだと見逃してしまうことが多いのですが、陣痛につながってしまうこともありますので注意しなければなりません。引越しとなると何もせず見ているわけにもいかないので、ついつい動いてしまいますが、後から影響が出てきます。
体調管理を一人で行おうとすると、パートナーをはじめとした周囲の理解が得られないことも少なくありません。少なくともパートナーには経過を逐一報告し、一緒に見守ってもらうことが大切です。
どのような状態なのかを正しく把握してもらうことができれば、引越しによる不安を一人で抱え込むこともなくなります。