引越しコラム column

なんだかいつもと違う? 引越しと子どものうつ対処法


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3月から4月の時期は、一年で最も引越しが多くなりますね。マイホームを購入した人は引き渡し、一人暮らしの人はこれから始まる新生活に向けて新しい部屋を借りる、そして仕事の都合などで真新しい土地へ移るなど、引越しの理由は人それぞれです。

引越しは、自分の周りの環境が一気に変化するため、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかるイベントです。そのため、「うつ状態」に陥ってしまうことがあります。これを、「引越しうつ」と言います。

特に、心身がまだ未熟な小学生の子どもにとっては、引越し後の急激な環境の変化についていけず、子どもだからとノーマークだと知らない間にうつ状態になっている可能性があるのです。今回は小学生の子供の引越しうつについて見ていきましょう。

 

小学生はうつになるの?

ストレス社会の現代、うつ状態はどの人にとっても身近なものとなりました。20歳以上の13人に1人がうつ状態を経験していると、厚生労働省の調査でわかっています。

今一度うつ状態とはとはどんな状態かを確認してみますと、一時的な気分の落ち込みではなく、2週間以上やる気が起こらない、物事に関心がなくなる状態を指しています。この状態は食べれなくなったり眠れなくなったりといった症状も引き起こしていきます。

そんな現代病とも言えるうつですが、うつ状態に陥る小学生も最近急増しているようです。部下を見ていて打たれ弱いと感じたことのある人も多いと思いますが、怒られなくなった現代の子どもたちはには自分を守る免疫がなく、ストレスに負けてしまうのがひとつの原因と言えるでしょう。

 

うつの症状

子どものうつの症状は、やる気がなくなる、物事に関心がなくなるというように大人と同じですが、もう一つわかりやすい反応として、イライラしやすいというものがあります。攻撃的になったり、落ち着きがなくなったりする様子が見られれば、サインと捉えましょう。

 

引越し前にできるうつ対処法

引越しをすると大きな環境の変化から脳が混乱してしまって、順応できない状態が続くとうつ状態に陥ってしまいます。では、それがわかっているのなら、事前に対処する方法はないのでしょうか?調べてみました。

いいイメージを膨らませるように言う

引越しは大仕事ですし環境が大きく変わることは大人も同じですので、親も引越しについてネガティブな発言が出てしまうこともあると思います。しかしそこを見せないようにして、引越しの良いイメージを膨らませるように言葉にして表現してみましょう。

引越した後どんな部屋にしたいかを話し合ったり、引越しを機に新しく始めたい習い事や、引っ越し先で出かけたい場所について聞いてみたりしてください。または、家具や家電が置いていないまっさらな部屋を見せるのも良いでしょう。引越しの実態がわからないことが原因の不安が軽減されていき、引越し後に抱くギャップを少なくすることでうつ状態を回避できる可能性が高くなるでしょう。

引越し先を散策する

引越し先がそれほど遠くない距離にあるなら、事前にその地域を散策するのもおすすめです。公園やスーパー、コンビニ、レストラン、なんでも見せてあげてください。人は一度見たことのあるものがあると、かなり安心を覚え落ち着きます。引越し後の生活をイメージするように見て回ってみましょう。

その際、安全の視点でも見られるといいですね。危険な場所は事前に一緒に確認して知っておくようにしましょう。

もし近距離なら、一度と言わず何度か足を運んでみると良いです。なぜなら、その地域で遊んでいる子どもたちに会える可能性が高まるからです。そのとき友達になる必要はありませんが、子どもとして心の準備ができるはずです。

荷造りを手伝わせる

引越しの荷造りを一緒に手伝ってもらうのも、準備の手助けとうつ予防とで一石二鳥です。あくまで親の荷物の梱包を手伝ってもらうという意味ではなく、自分のものは自分で梱包してもらうようにします。引越しそのものを一番実感させることができ、子どもなりに今の場所を離れる心の準備と、新しい環境を創造して準備することにつながります。

もし引越しの準備をすべて親がやってしまったら、それこそ親が強制的に連れて行くという感覚にさせてしまいかねません。自分で実感してもらうことで、早い段階から順応を進めていくことができます。

 

引越し後は変化を観察して

引越しをしたら、しばらくは荷物の片付けや手続きでバタバタする期間になるとは思いますが、そんな中でも子どもの変化を見逃さないように気を配りましょう。早く異常を発見できれば早く対策を打つことができます。

特に子どもの世界で転校は大きな環境の変化です。学校が始まったら特に注意して観察してください。学校の先生とも連絡をとりやすい関係を作っておくことが賢明です。

 

馴染めず落ち込みぎみでも責めないこと

もしうつ状態になりそうな予感が感じられるときは、親として焦りを感じてしまうかもしれませんが、決してなぜ馴染めないのかと責めず、よく話を聞いてあげるようにしましょう。ストレスを抱えている人には、まず抱えている気持ちを吐き出させ、自分自身でもその問題を客観的に認識する必要があります。

人それぞれで、時間がかかる子もいるので、余裕を持って受け入れてあげることが大切です。
自信をなくしてしまうとうつ状態に入りやすくなってしまいます。安心させるようにつとめましょう。