上京が育んでくれた幼馴染みとの恋 引越しを決断してよかった
四十の坂を越えた主婦です。
引越しにまつわる甘酸っぱい恋愛の体験談を書かせて頂きます。
上京して孤独で泣きながら過ごした日々
まだ世の中にスマホやタブレットが無かった時代、もちろんインターネットの登場など誰もが想像していなかった時代、北海道の片田舎で生まれ育った私は、地元の道立高校を卒業後、専門学校に入学するため上京しました。
農業を営む両親の大反対を押し切っての上京でした。
当然、両親からの財政的援助はほとんどなく、糊口を凌ぐために必死にアルバイトしながら、学業に励みました。
しかし、右も左も分からない田舎者が大都会で一人で生きていくことは、想像していた以上に大変でした。
来る日も来る日も、狭い部屋の片隅で孤独に押し潰されそうな自分を自分で支えながら生きていました。
幼馴染みからの思わぬ手紙
でも、夏の到来を思わせる蒸し暑い夜、いつものようにバイトから帰宅した私に嬉しい便りが届いていました。
ボロアパートに取り付けられた赤い郵便受けから手紙を取り出し、差出人の名前を見ると、懐かしい名前が書かれていました。
幼馴染み○○君のそれでした。どこかから私の上京を聞き手紙をくれたのです。
名前を見た瞬間、一気に涙が溢れてきました。我慢していた感情が一気に爆発していました。
ドアを開け、部屋に入って、すぐさま読みました。何度も何度も読み返しました。
涙が止め処なく、便箋の上に零れ落ちました。
直ぐにペンを取り、返信しました。その時の悩みや孤独や色々なことを正直に書き連ねました。
文通から始まった恋
その日以来、○○君と私の文通が始まりました。
様々なことが蘇ってきました。
小学校の頃、ガキ大将だった○○君が、泣き虫の私を悪ガキから守ってくれたこと、中学生になって、私に初めて好きな人ができたこと、高校二年生の時、○○君がバイクで事故ったこと等々、本当に色んなことを手紙に書いてやり取りしました。
そんな手紙の交換が一年以上続いた頃、なんと○○君が告白してくれたのです。
「俺は、おまえのことをココ(地元)で待っているから」
滂沱の涙が止まりませんでした。
専門学校へ入学するために東京へ引越したことで、幼馴染みとの恋が始まるとは夢にも思っていませんでした。
でも、結果的に私の無謀な上京が○○君との恋を育んでくれたのだと思うと、人生のあの時期に引越しという大きな決断をして良かったなぁと思います。
みなさんももしかしたら、ご両親の意見と自分の夢の狭間で悩んでいるかもしれませんね。
でも自分を信じて行動して下さい。勇気ある行動をとったあなたに、神様は恋のご褒美をくれることでしょう。