引越しのタイミングで災害対策を!名古屋の幼稚園で学んだ災害への意識
私たち家族は、夫の転勤のために福島県の太平洋側に暮らしたことがあります。
東日本大震災が起こる前に既に名古屋に引越していたのですが、当然福島には友人がたくさんいましたので、震災の際には生きた心地がしませんでした。
みんな無事に居てくれたことが分かったときは本当に安心しましたが、私たち家族が暮らした4年間にこのような大災害が起きる可能性がなかったわけではないので、今無事に家族みんな元気でいることを本当に幸せに思います。
無事だったから良かったものの、福島に住んでいた当時、災害への備えなんて全くできていなかったことを恐ろしく思います。たまたま引越した名古屋の幼稚園では、東海大地震に備えての取り組みがしっかり行われており、親としても勉強になりました。
普段、急に防災対策を始めようと思ってもなかなか腰が重いのが事実ですが、引越しの際には始めやすいと私は感じています。ですので今回は、東日本大震災の時のお話と、名古屋の幼稚園でまなんだ災害対策をシェアしたいと思います。
東日本大震災と私たち家族
福島に住んでいた時代の思い出
福島県に引越したのは、長男が小学5年生、二男が3年生の年で、もうずいぶん前のことになります。休日には、家から北のほうへドライブをして原発の近くまで子供達を連れてよく遊びに行っていました。
大きな公園、憩いの場のようなところも多かったのです。楽しい思い出があるので悲しかったですが、あの頃、こういう可能性をまったく考えずに、子供達と遊んでいたことを思い出してそれが自分自身、大きなショックでもありました。
友人の無事
いちばん親しくしていた被災地の友人が無事だとわかったのは、震災から数ヶ月が過ぎ、夏になってからでした。
私たちの引越しの時も、子供達にご飯を持ってきてくれたり、とてもよくしてもらっていました。連絡がつかない間は心配でたまりませんでしたが、県外避難や家の修復の後、やっと連絡がついて手紙をもらった時、とても安心して嬉しかったです。
しかし、報道よりずっと凄まじい手紙の内容に涙がこぼれました。
家族のボランティア活動
そういう思い出のある大人になった息子たちも、さいたまスタジアムに福島から被災者の方が避難されていると知って、ボランティアに駆けつけていました。
夫は被災地から頼まれて、ガソリン配給時に必要な容器を探しまわりました。現地では調達できずに、遠いところで手に入るかと藁をもつかむ思いで連絡があったと思いますが、結果どこのガソリンスタンドにも、車のデイーラーにも、ホームセンターにも、ガソリン用容器なかったのですが。
名古屋の幼稚園で学んだ災害への意識
名古屋に引越して息子が幼稚園に入園すると、幼稚園の防災の取り組みの真剣なことにとてもびっくりしました。今でこそ、防災の必要性をみんな感じるようになりましたが、名古屋の幼稚園では、昔から東海大地震の危険が言われていたので、災害の時に子供をいかに守るかということが徹底されていました。
避難訓練は頻繁に行われ、ほんとうに地震が起きた時に子供を迎えにいくと思って協力する、という設定でで行われました。
私が息子の母親であり、引き取り手だという証明カードを持ち、必ず歩いて迎えにくるように、ということでした。
私はその頃運転免許を持っていませんでしたが、実際に地震が起きた時に道がふさがれるようなことも考えられていたのでしょう。どれくらいの時間で親がこられるかということも幼稚園側が把握しようとしていたと思います。
各地で災害が起こる度に、素晴らしい幼稚園だったのだなと思います。自分が現実味の薄い意識でいたことを恥ずかしく思います。
引越しのタイミングで災害対策を!
引越しは、災害のことを新たに考えるチャンスだと私は思います。家具を配置したら、転倒防止策を施すとか、防災グッズを改めるとか、荷物を収納するのと同時にするのがいいと思います。
また、新しい土地に移ったのですから、家族で避難場所を確認したり、新しい幼稚園や小学校までの道のりを実際に歩いて、周囲の環境をチェックするのも必要です。
子供が幼稚園くらいになっていれば、子供にも防災の話をして、防災の感覚を持たせていくようにしないとならないと思います。新しく引越した家の中でも、大きく揺れた時にどういう行動をとるか、家の中のどこが安全かなど、話しておいたほうがいいと思うのです。
私たちが名古屋の幼稚園で得た災害に対する意識と、福島で震災被害にあった友人の想いを通して、皆さんにも防災意識を高めて欲しいと思い書きました。
新しい土地に引越したなら、ぜひ家族で防災について考えてみて下さいね。