離れるときに、お互いの持ち物を交換した思い出
学生の頃、付き合っていた彼氏がいました。
その学校に通う学生は、ほとんどが学校から半径2~3kmのところの学生マンションに住んでいました。
私と彼氏ももちろんそうで、お互いのマンションは徒歩5分ほどしか離れていませんでした。
学生ということでお互い時間もたっぷりあって、空き時間はほぼどちらかの部屋でまったりとした時間を過ごしていました。
半同棲のような形だったと思います。
そういう時間を一年過ごしましたが、互いに学校を卒業する時期がやってきました。
私は卒業とともに地元で就職、彼氏はまた別の県で進学ということで、2人は離れ離れになることがわかっていました。
引越しで離ればなれ
これまで一年間も、2人でべったり過ごしてきたというのに、いきなり離れ離れというのは寂しくて仕方がありませんでしたが……仕方ありませんよね。
離れてしまうという現実は変えようがないので、私たちはどうにか寂しさを少なくしようと考えました。
そこで、お互い引っ越しの荷造りをするときに、相手に渡してもよいものを持ってきて交換しようということになったのです。
こういう場合って、指輪とかそういうものを贈り合いそうなものですが、私たちはちょっと変わっていました。
できるだけ生活感のあるものがよかったのです。
だって、これまでずっと一緒にいたんです。
寝間着姿も、使っている歯ブラシも知っていました。
今更きれいな指輪なんかもらうより、よっぽど相手を近くに感じられるようなものがよかったのです。
ジャージ交換!
そういうわけで、私たちは寝間着に使っていたジャージを交換することにしました。
その後引っ越しの時期を迎えましたが、寝るときは彼が着ていたジャージに身を包んで眠りました。
ただ普通に、すんなりと引っ越してしまうよりは、ずっと寂しさが和らいでいたと思います。
遠距離恋愛になりましたが、これで何とか切り抜けました。
このように、お互いがふだん身に着けているものを交換することで、離れていても相手の気配やにおいを感じることができるのでおすすめですよ。