同棲を解消したときの引っ越しの思い出
家族と一緒に住むのさえ大変なことも多いですよね。その上他人と一緒に暮らすとなれば、困難は付き物です。
そのため、結婚前にパートナーとともに生活することができるか確認する意味で同棲をする人は多いと思います。
今回は、同棲と引っ越しに関するエピソードを紹介したいと思います。
別れ、同棲解消
結婚観の違いから、5年間同棲していた彼と別れることになりました。
彼とは学生時代からの付き合いだったので、学生から社会人へとなる期間、私にとってはうれしいことや不安だったことを全部打ち明けてきた相手でした。
なので、最後の最後で別れるという結論しか出せなかったことはとても悲しかったけれど、仕方ありませんでした。
引越しそばと最後の会話
同棲していた部屋には彼が引き続き住むということになったので、私の荷物だけを片付けました。
二人で買った家具や家電は気前よく彼にあげました。ペアで買ったお皿やカップは私が引き取りました。「二つとももっていくのか、強欲だな。」と彼がからかうので、「こんなのがあったら新しい彼女ができないよ。」と私も軽口を叩いて応戦しました。
ホームセンターで段ボールを10個も買ってきたのに、いざ荷物をまとめると段ボール4箱におさまりました。
これだけかと拍子抜けするくらいの荷物の少なさでした。引っ越し業者にわざわざ頼んだりしなくてよかったと思ったくらいでした。
私は実家に帰ることに決めていたので、段ボールは宅急便で実家に送りました。
コンビニから送り、ついでにお昼ご飯にざるそばとプリンを二つずつ買いました。
引っ越しにはそばという頭があったからなのですが、よく考えてみたら引っ越すのは私だけなのだから、そばを二つも買う必要はありませんでした。
部屋に帰ってから、彼と向き合ってコンビニのぼそぼそのざるそばを食べ、彼の淹れてくれたコーヒーをすすりながらプリンをすくいました。
そのとき、「三十になってもらい手がいなかったら、仕方ない、俺がもらってやるよ。」と彼が言いました。
むっとした私が「何で上から目線なのよ。私が三十だったらそっちは三十超えてんじゃん。」というと、「女のほうが後がないだろ。」と言いやがりました。
思い出は美しい
今思い出すと、最後だっていうのにずいぶんくだらない会話をしたものです。もっとロマンチックな会話だったら、五年後に再開というどんでん返しだってあったかもしれません。
結局、彼とはこの日を最後に会っていません。私は彼と別れた後、仕事やプライベートで壁にぶつかったり失望させられたりという経験を積み、三十二歳で宗旨替え、その当時付き合っていた彼と結婚したものの二年後に離婚しました。
今でも、時々昔の彼を思い出します。私がもう少し早く大人になれていたら、彼との将来もあったんだろうなと思ったりします。でも結婚しなくて正解だったかもとも思います。結婚しないでいた方が彼のことを好きなままでいられそうだからです。思い出は美しい、というやつです。
まとめ
以上、今回は同棲と引っ越しの思い出に関するエピソードでした。
関係を終えて引っ越すことにしたものの、引っ越しまでの二人のやりとりが険悪なものでないばかりか、むしろ家族のように慣れ親しんだ雰囲気であることに5年間の同棲の重みが感じられました。
同棲してみてその後も一緒にいるのか、それとも別の道を進むのかというのは人それぞれであると思いますが、この方が言われているように、過ぎてみれば全てが思い出に変わってしまうのだと私も思います。
そして、何もしなくとも時というものは過ぎていきますから、全てはいつか思い出になるということですね。