引越しコラム column

環境問題に積極取組み 未来を見据えるエコ引越業者アワード2016


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環境問題なんて意識しなければ当たり前のように毎日を過ごしてしまいますが、地球の温度はどんどん上昇し、貴重な資源はどんどん少なくなり、私たちの地球を少しずつ蝕んでいるのです。夏は外に出られないくらい暑いし、豪雨被害も増えました。沖縄のサンゴも見られなくなるかもしれません。たとえ自分はよくても、目の前の我が子のことを考えると、さらにそのまた子どもたちのことを想像すると、今できる小さなことからでも取り組んでいきたいですよね。

個人レベルでできることを行っていくことは大切ですが、もちろん企業レベルでも取り組む必要があります。企業は利益だけを単純に求めるのではなく、きちんと地球の未来のことを考えて事業を行う責任があるのです。

例えば引越業者さんだったらどうでしょう?たくさんの段ボールや梱包資材のごみが出ます。世界のごみの量は、2050年には2010年の2倍以上にもなると予測されているのを知っていましたか?
※環境省 世界の廃棄物量の推移より https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h23/html/hj11010402.html

また、大きなトラックがCO2を排出して日本全国を走り回ります。特に東北の震災があってから原発の稼働が止められ、代わりに火力発電の割合が増えてしまい、CO2の量は増えているのです。2010年は61.7%だったのが、2011年の震災を経た2013年は88.3%となってしまいました。
※環境省 平成27年版 環境・循環型社会・生物多様性白書より http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h27/pdf/1_1.pdf

環境問題への意識が高い引越業者さんはどのように工夫しているのでしょうか?
今回は、環境問題に積極的に取り組み業界をリードする引っ越し業者さんを調べ、未来を見据えるエコ引越業者アワード2016として表彰させていただきたいと思います。

 

第6位 SGムービング

SGムービングでの興味深い取り組みは、家具や家電の梱包に使われるような発泡スチロール材をそのまま捨てずに固形燃料化し、工場などで熱原料として再利用することです。固形化する過程で必要な減溶機は独自で開発されているとか。ユニークなリサイクルです。

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出典 http://www.sagawa-mov.co.jp/quality/environment.php

もちろん基本的に再生紙の段ボール資材、梱包材はリユース資材と、紙の使用を少なくすることは標準の取り組み。また、トラックの運転方法もエコドライブに務め、荷物の積み降ろしの際にはきちんとエンジンを止めて無駄なCO2排出は避ける心がけもされています。引越作業中は停車したトラックも見に行きたくなってしまうかもしれませんね。

 

第5位 アート引越センター

アート引越センターでは「お引越をもっと楽に、もっとエコに。」というコンセプトを掲げ、ごみを出さない「エコ楽ボックス」を開発しました。

食器を梱包する時には、割れないように一つずつ新聞紙でくるんだり、プチプチをしいたり、紙を丸めて箱の隙間を埋めたりと、とにかくごみとなるものを使いますよね。そこに注目したアートさんは、食器に合わせたスポンジの仕切りがあるボックスを作りました。これがエコ楽ボックスです。

このボックスに入れれば余計な緩衝材は使う必要がなく、ごみを減らすだけでなく労力もかなり減らすことに成功しました。リユース品なので大切に使えば一つのボックスを何人ものお客さんに使ってもらうことができます。

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出典 http://www.the0123.com/service/ekoraku/

さらにそのシリーズ品として、シューズケースやテレビケースも開発されました。靴も紙でくるまなくてもいいですし、テレビの画面保護に不織布も必要ありません。最近は大きなテレビをお持ちの方も多いので、必要な保護材も大きいものがいることになりますよね。同様に壊れるまで何度も使うことができます。ごみゼロの引っ越しを目標に日々開発を頑張っていらっしゃいます。

 

第4位 有限会社松下運送

東京都トラック協会の「グリーン・エコプロジェクト」をご存知でしょうか?トラックごとの燃費データを集めて分析、指導し、CO2排出を抑えるエコドライブを推進する活動です。同時に燃費向上によるコストの削減にもつながりますし、事故防止にもつながるというものです。

松下運送さんはこのグリーン・エコプロジェクトに参加し、引っ越し用トラックからのCO2排出削減対策に取り組んでいるのです。CO2の排出量を減らそうとするなら、当然ですが現状の排出量を数値で出す作業から必要になってきます。積載量や走行距離を細かく記録しなければいけません。環境のためにこのような地道な努力をしていることは素晴らしいですね。

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出典 http://www.tta-gep.jp/katudou/

また、東京都は「貨物輸送評価制度」という、CO2削減に対する取り組みを評価する制度を世界で初めて立ち上げましたが、松下運送さんは平成26年度に評価を受け星3つ中2つのレベルを獲得しました。今後もさらなる燃費向上への努力に注目です。

 

第3位 日本通運

日本通運は言わずと知れた引っ越しに限定しない大手物流会社です。そのため環境への取り組みも物流事業全体として行われているので規模も大きいのが特徴です。

まず、環境に配慮したトラックの積極的導入を行い、天然ガス車、ハイブリット車、LPG車(液化石油ガス車)など様々なタイプを取り入れ現在は6,000台を上回る保有台数です。もちろんそれでも車の機能に頼るだけでなくエコドライブ教育もしっかりされています。さらにそれに甘んじることなく、そもそもトラックではなく鉄道や船を利用できるケースなら、CO2排出量の少ないそれらを利用するようにしています。(モーダルシフトと言います。)例えば鉄道は大型トラックに比べCO2排出量は1/6程度です。
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出典 http://www.nittsu.co.jp/corporate/environment/antipollution.html

ISO14001認証という言葉を聞いたことはありますか?

ISO 14001は、サステナビリティ(持続可能性)の考えのもと、環境リスクの低減および環境への貢献と経営の両立を目指す環境マネジメントシステムの国際規格です。

※一般財団法人 日本品質保証機構より https://www.jqa.jp/service_list/management/service/iso14001/

いろんなマネジメントシステム規格があるのですが、環境保護に対する規格はこの14001番という番号がつけられています。これは、それぞれの会社に合わせた環境保護システムを構築する、そして一度作って終わりでなく持続的に取り組んでいけるように、審査やアドバイスを受けて改善していく認証システムです。他の引越業者さんでも認証を取得している所もありますが、日通さんは全国に展開するセンターごとに新規取得を続けています。海外を含め14拠点で取得しています。

 

第2位 ハート引越センター

トラックといえば従来はディーゼルエンジンを積んだトラックが主流でしたが、有害物質の排出が多いということで近年では天然ガス車が導入され始めました。ハート引越センターではその天然ガストラックを2008年という早い段階から取り入れ、環境保護対策に熱心に取り組んでいます。ディーゼル車と天然ガス車を比較すると、天然ガス車はCO2は20〜30%カット、黒煙の排出においては100%カットというデータです。

また、リサイクル事業にも力を入れています。引っ越しのタイミングで断捨離をしてたくさんの不用品が出てくるのはよくあることです。ハート引越センターでは、「ハートガレージ」というリサイクルショップも全国で30店舗運営し、不用品の買取販売を積極的に行っています。また、ネットオフ株式会社と提携し、古本やCD、ゲームソフトの買取販売も行っています。引っ越しの準備をしながら手軽に利用できるのもユーザーメリットですね。

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出典 http://oikura.jp/shop/16423323/

そして、ハート引越センターの段ボール箱には注目してみましょう。「この箱は太陽光発電の工場生まれ」というマークが見られるかもしれません。それは、太陽光パネルを設置しそこから得た太陽光エネルギーで稼働させている工場で作られた箱であるという意味です。再生可能エネルギーの利用を推進していく時代にマッチした取り組みと言えるでしょう。

 

第1位 ハトのマークの引越センター

ハトのマークの引越センターの引っ越しプランでは、単身プランやファミリープランに「エコプラン」という環境に配慮するプランを組み合わせることができます。

エコプラン最大の特徴は、段ボール箱を使わないことです。リユースできるプラスチック製の箱を使用するため、引越し後の段ボールごみは一切出ません。さらに、マジックテープで留める仕様のためガムテープも使用しません。引っ越しといえば段ボールとガムテープというアイテムがすぐ浮かぶほど主力アイテムですが、それを失くしてしまうという革新ですね。しかも雨の日の引っ越しとなってしまっても、荷物に雨が染みてしまう心配もないそうですよ。

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出典 http://www.hato.or.jp/service/senior/

また、全国に200のセンターを展開するハトのマークの引越センターですが、2004年から毎年どこかの地域で植林ボランティアを行っているのも素晴らしい取り組みといえます。植林は京都議定書で定められている温暖化対策のひとつです。木が成長するのに伴いCO2が吸収され温暖化対策に一役買うわけですが、植林の効果はそれだけではなく、大地の水を保ち生物が生きる環境を整え、周辺地域全体を豊かに整えます。

どんな取り組みも継続することがとても難しいことです。これからも続けていってほしいですね。

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出典 http://hato-chubu.or.jp/?p=480

 

未来を見据えるエコ引越業者アワード2016、お手本とするべき引越業者さんを紹介してきましたが、第一位はハトのマークの引越センターさんでした。引っ越しをする際には各社の環境への配慮にも目を配ってみるといろんな気付きがあるかもしれません。お客さんと業者さんも、また業者さん同士でも、良い意味でお互いに目を光らせていきたいですね。地球に住むものの責任として、全員で環境の問題に取り組んでいきましょう。