引越しコラム column

父たかしの子連れ引越し(前編:娘2歳)


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今から6年程前、我が家の一人娘がまだ2歳の頃です。

当時、私(パパ)は横浜に勤めていましたが、勤務先が東京になるのを機会に、東京と横浜の中間である川崎にマンションを購入しました。40歳を過ぎ、子どもの将来のことも考えると、そろそろ借家住まいから抜け出そうと考えていたので、転勤がちょうどよいタイミングだったのです。

パパの勤めている会社は全国転勤が多いので、若い頃から何度も転勤・引越しを繰り返していました。結婚までは一度も引越ししたことのなかった妻(ママ)でさえ、今回の引越しで3回目となり、引越しのベテランといっても過言ではありません。

結婚後の2回の引越しは、夫婦2人だけでしたので、荷物も少なくアッという間に終わりましたが、さすがに娘が生まれて初めての引越しでしたので、これまで以上に大変になるものと覚悟を決めていました。

しかし、まさかここまで大変な引越しになるとは思ってもいませんでした。

 

ママ行かないで~

当時、娘はまだ2歳になったばかり。ひとりで歩くこともできるし、片言ですが、十分しゃべることもできます。好奇心旺盛でいたずら盛りといった感じでした。

とはいえ、ひとりにしておくことはできず、面倒をみるような兄弟たちもいないので、家の中ではママと2人でベッタリという毎日でした。

そのため、引越しの日取りが決まってからの1カ月が予想以上に大変でした。

これまで、引越しが決まれば、1カ月前から部屋の片づけ、不用品の処分、普段あまり使用しない食器類や本などの荷造りに、夫婦2人でボチボチと取り組むのですが、今回は、ママは完全に戦力外です。

最初はママも荷造りを分担してやっているのですが、娘が「ママー。あーそーぼー」と近寄ってきて、ガラスの食器など危なくて荷造りできません。それでもタンスの衣類などは、昼間パパが外で働いているときに、ママが娘を構いながら必死になって荷造りしていたそうです。

そういうわけで、娘が寝た後、夜10時頃から夫婦で荷造りをやっていました。

途中、娘がグズッって泣いたときなどは、そのたびにママは娘を寝かしつけに荷造りを中断し、いったん離れます。やっと寝たと思って再びママがパパのところへ戻って来ると「ママー」と泣き出して追っかけてきます。結局、ほとんどパパが荷造りをする羽目になりました。

やはり、小さな子どもはパパよりもママが大好きですからね。パパとしては少しさみしい気もしますが、ママが娘をあやしてくれたので、荷造りがはかどったのは事実です。

 

捨てちゃダメ~

ところで、転勤族の我が家には、以前から引越しに備えてたくさんの段ボールをストックしていたので、パパが娘のために、それらを使って段ボールハウスを作っていました。

大きな段ボールを組み合わせて、娘が中に入れるようなお家を作ったのです(余談ですが、最近では専用の組み立て式の段ボールハウスがおもちゃ屋さんで売っているそうです。)

屋根や壁には、娘と一緒にクレヨンやマジックで、娘の好きなアニメのキャラクターを描いていました。そのほか、段ボールで作った簡単な幼児用の滑り台も娘のお気に入りでした。

さて、引越しの際、これらダンボール製の遊具をどうするか・・・持っていきたい気もしたのですが、ずいぶん使い込んでヨレヨレになっていましたし、新居でまた新しいのを作ればいいと気楽に考えて、処分することにしました。

幸い娘も最近では新しいおもちゃに興味があるみたいだし・・・。

しかし、玄関で分解されゴミ置き場行き直前の段ボールハウスを、娘が見つけた途端
「捨てないで、捨てちゃダメ―」
と泣かれてしまうことに・・・。結局、段ボールハウスごと「お引越し」となりました。

大人にとっては「もう使わない」「ゴミ」と思っていても、子どもにとっては大切な「宝モノ」ってあるんですよね。新居の広さなど状況によっては、処分しなければならないこともあると思いますが、子どもの気持ちをできるだけ損ねないようにしなければと思いました。

 

ママ友、バアバの協力

さて、引越しの前日、いよいよ荷造りも最終段階です。

この日は、パパも仕事を休み、終日、最後の大物の荷造りと大掃除。もちろん、ママも必要です。

というわけで、近所に住むママ友さんに娘を預かってもらうことにしました。ちょうど娘と同じ年の男の子がいたので、娘も上機嫌で了承してくれました。ただし、先方の都合もあるので、夕方までの約束。最後の夜は、パパがほとんど徹夜で荷造りする横で、ママと娘は疲れ切ってグッスリと寝ていました。

そして、引越し当日。朝8時過ぎからトラックがやってきて荷物を運び出します。娘も最初は好奇心旺盛で黙って作業を見てましたが、見ず知らずの作業員のお兄さんたちに怯えたのか、泣き出してしまいました。

しょうがないので、ママが抱っこして近所のママ友さん宅へ避難。搬出の立会いはパパ一人で行いました。
また、その日の午後、川崎の新居に搬入する際は、妻の実家の母が現地に来てくれて、孫娘をあやしてくれましたので、とても助かりました。
無事に引越しができたのもママ友さんやバアバ(義母)のおかげだと思います。

 

まとめ

子どもが生まれてはじめての引越しは、予想以上にハプニングが多くとても大変でした。でも、それ以上にとても印象に残る、子どものありがたさを感じた引越しでもありました。

引越しは肉体的にも精神的にもとても疲れる作業なので、できるだけ「任せられることは、人任せにする」というのも一つの考えだと思います。

現在では荷造り作業を含む引越し作業のすべてを全部業者に任せることだって可能です。もちろん、費用の問題もありますので、みなさんにおすすめする訳ではありませんが、万一、子どもが引越しの荷造りの最中にケガなどしては取り返しがつかないことになります。

私たち家族の場合、ママ友や義母の協力が本当に役に立ちましたが、最近では引越し業者のサービス(オプション)として、ベビーシッターの派遣などもあるようです。経済的に余裕のある方は、ぜひ、検討されてはいかがでしょうか。