引越しコラム column

私の単身赴任で離れてわかった夫の存在感


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私の仕事の都合で、一時期夫と離れて暮らしていました。まだ子供はいなかったので、自宅のマンションには夫が残って、私だけ転勤先にウィークリーマンションを借りて引っ越しました。期限付きの転勤で、期間は半年間でした。

最初は独身気分に戻れると思い、うきうきしながら引越しの準備をしました。夫は私と違い一人暮らしが不安だったらしく、まるで子供のような顔で「早く戻ってこいよ。週末は戻ってこいよ」と言っていました。結婚までは実家暮らしで本当に一人になったことのない人だったので不安なのは無理もありません。夫の自炊能力にも不安はあったのですが、「子供じゃないんだから」と自分を言い聞かせました。

 

久しぶりの一人暮らし生活

いざ久しぶりの一人暮らしが始まると、夕食の時間を気にしなくてよいとか、お風呂の入る時間でいちいち小言を言われなくてすむとか、そのような小さな幸せを見つけては解放感に浸っていました。
夫とは一日に一回は連絡を取り合っていましたが、仕事の忙しさを言い訳にして毎週末は帰りませんでした。

ところが一人暮らしを始めて一か月ほど経ったとき、仕事で大きなミスをしてしまいました。仕事のミスは経験があるのですが、そんなとき私は夫に愚痴ることで、落ち込んだ気分から立ち直るのが癖になっていました。

でも今はマンションに帰っても一人、愚痴を聞いてくれる人も慰めてくれる人もいないと思うと、とたんに心細さを覚えました。その夜は泣きながら夫に電話しました。三時間を超える最長通話時間を記録しました。

 

夫がいてくれる心強さ

その週末、マンションに帰ると、夫がふふんと得意げな顔で出迎えてくれました。「俺のありがたみがわかったか」と言うのです。あまりにしつこいのでしまいには腹は立ったのですが、このときは慰めてもらったばかりだったので、仕方なく「はいはい、神様くらいありがたいわ」と言っておきました。

でも本心では、「もう一人には戻れないな」と思っていました。
このときの半年間の一人暮らしは、一人暮らしの気楽さよりも夫がいてくれるという心強さの方が大きいだということに気付けた大切な時期になりました。