引越しコラム column

引越し後、時間の経過と子どもの気持ち


img_child_pass_20

私は小学校2年生の頃に引越しをしたのですが、同時に転校も経験しました。
まさか、自分が転校生になると思っていなかったので、複雑な気持ちがあったのを覚えています。

ところが、最初の頃の不安な気持ちはいつの間にかなくなっていました。
引越しをしなければ出会わなかった人もたくさんいますし、私は、たくさんの人に出会えたことを本当に幸せに思っています。

引越しを控えお子さんの気持ちを心配しているお母さんに、小学校2年生の私が転校後どんな気持ちだったか、そして今引越ししてよかったと思えるのはどうしてか、お話ししたいと思います。
皆さんの不安が少しでも減るといいなと思います。

 

引越し直後、前の友達がいれば寂しくない

私の場合、学校は変わっても、バスに乗れば20分くらいの距離に引っ越したので、引越し後一度も、寂しいと思ったことはありませんでした。友達はどこかで会うと必ず声を掛けてくれました。親同士の関係も続いていたので、前の学校での友達と会うきっかけも親を通してありました。夏休みに一緒に海に行くこともあったし、近所のテーマパークの無料券で出かけたりしました。わりと近くに引っ越すのであれば、お母さん通しもお友達関係を継続しておくと、子どもにとってもありがたいものですので、つないでおけるものはつないでおいてください。

一方私のように近くの距離ではなく、遠くに引っ越される方はまた状況が違いますが、小学校高学年にもなれば、文通という手もあります。私は高学年になった頃、前の学校の友達と文通のやり取りをして、お互いの学校での話、好きな人の話などをしていましたね。

前の街での暮らしは、生まれてからのたった6年。長い人生のほんのわずかな時間ですが、大人になった今でも、前の学校の友達と、保育園や小学校での思い出話をして盛り上がる時があります。
短い期間でも一生のうちの大切な思い出になっていくものです。
引っ越して、前の友達と関係が切れてしまっていたら、当然当時はとても寂しかったでしょうし、現在の思い出話をして楽しむ時間もなかったことでしょう。できる限り引っ越しても、それまでの友達と関係が続くように、お母さんもサポートしてあげてください。

 

3ヶ月、すっかり慣れていた

転校して3ヶ月くらいしたある日、友達が私にこんなことを言いました。
「こっちの生活が長くなったから、あんたが転校生やったこと忘れてた!」と。
気付けば自分の中でも、転校してきた事を忘れていたこともありました。

初めの頃は、周りの友達からはやっぱりどこか転校生扱いなところもあったので、そのよそよそしさが悩みではありました。
それが、友達から「あんたが転校生って思えない!」と言われるようになったということは、見事何か認められたという気持ちになります。
この時初めて、ああ、新しい環境に馴染めたんだなと確信し、自信も持ちましたね。

どうなったら「慣れた」という指標は、自分も友達も、自分が転校生ということを忘れた時が慣れたと言うのでしょう。
私の場合、3ヶ月くらいで引っ越してよかった、転校してよかったと、すっかり思えるようになっていました。

お母さんがお子さんを見ていて、ああ、この子も慣れたなと思った時には、口に出してそう言ってあげて下さい。
人に言われて気付き、自信になることがあるのです。

 

たくさんの人と出会える私は幸せ

引越し、転校をしなければ、出会うことのなかった人、考えてみるとたくさんいます。
学校の先生や、友達、高校生の時のアルバイト先の人。
前の街にそのまま住んでいれば、絶対に出会わなかったでしょう。
私は引越しも転校も後悔したことはありません!

そう思えているのは、前の学校の友達がずっと遊んでくれたから、新しい学校の友達が受け入れてくれたからです。
お母さんも、お子さんの友達付き合いでサポートできることがあるなら、積極的に手伝ってあげてください。

皆さんのお子さんに、たくさんの人に出会えるチャンスが巡るといいなと思っています。