引越しコラム column

引越し後、子どもが方言を覚えたら慣れた証拠


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お子さんをお持ちの方で、方言が全く違う場所への引越しを控えられている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなとき、まったく馴染みのない方言が話されている新しい学校でうまく周囲に馴染めるだろうか、と親御さんたちも心配になるのではないでしょうか。

私の家庭は何度も引越し、転校を経験しています。
子供達は、土佐弁、東北弁、出雲弁と、たくさんの土地の言葉を知って大人になりました。

子供たちは新しい環境へ自然に溶け込むことのできる天才です。

私は引越し先で子供たちからその土地の言葉が出るようになると、ああ、この子たちもここに慣れたんだな、
とか、友だちができたんだなとか安心したものでした。

今回は、私の息子たちの新しい土地への順応していく過程をシェアしたいと思います。
個人的な体験談がみなさんの参考になれば幸いです。

 

初めはやはり戸惑いはある

その高知でバリバリの土佐弁を話していた子供たちが東北に行ったのですから、小学生の彼らに言葉の戸惑いがなかったわけではないようでした。

二人を連れて始業式に行きましたが、5年生だった上の息子は、土佐弁を出さずに標準語で先生と対応していました。

でも2年生だった下の息子はまだそんな器用な使い分けができませんから、最初は口数が少ない子だと思われたみたいです。
土佐弁では話しにくかったのでしょうね。

本来の口数の多さを発揮するまでが、福島に行った時もジャストで2週間でした。
東北弁の彼等も懐かしく感じます。

 

子供は2週間で慣れる

子供というのは何にでも慣れるのがほんとうに速いです。

どこに引っ越しても、だいたい2週間たつとその土地の言葉が出始めます。
友達と話しているとみんなと同じ話し方に自然となっていくものなのでしょう。

例えば土佐弁で「知っちゅうよ」(知っている)とか、「やりゆう?」(やってる?)とか語尾の特殊な言葉も、
ついこの前まで名古屋にいた子の口から出てきます。そうすると、学校でみんなとちゃんと仲良くやっているんだな、ということがわかり、安心したものです。

最後まで前の土地の言葉が残るのは兄弟げんかのときです。
興奮すると、まだ慣れないで一生懸命使おうとしている言葉ではなく今までの話し方に戻るようで、それはとてもかわいくて面白かったです。

 

方言によってからかわれたりしない?

転校生は異分子的に感じられて、いじめの標的にならなければいいなといらぬ心配もしていました。
今振り返ると、言葉の違いが問題になったことはまったくありませんでした。
そして転校生だからといっていじめられたことも一度もありませんでした。

高知を出る時に、息子のほうから私に言いました。
「高知に転校してきた子と僕は仲良くできたから、僕が向こうに行っても仲良くしてもらえると思う」と信じて疑っていなかったのです。

しかしながら、子供というのは自分たちと違うところを持った子に興味深々なものです。
それがちょっとした冷やかしやからかいになったりすることはあると思うのです。
言葉の違いはそういう状況を生みやすいものであることは確かです。

当時私は子供達に、「からかわれたらそれは仲良しになりたい近づきの印かもしれない。
からかい方が嫌だったら、それは嫌だと言えばいい。
どうしてもだめだったらその時は先生に相談すればいい。万が一、先生が対処してくれなかったら、その時は私に話してほしい」、ということを、何気ない会話の中で日頃から話していました。

これからいろんな経験をして生きていく中でまず自分で解決しようとしてほしい、という気持ちもあったので、そのことをアドバイスしてあとはそれほど気にせず、気楽にしていました。

転校、言葉の違いによるいじめは起こりにくいと思います。新しい環境で友達ができる、という自信がとても大切だと感じました。

日頃から、親御さんが、そのような話をしておくことは大切なことだと思います。
 
いかがでしたか?

今回は、遠く離れた場所へ引越す際、子供たちの方言の違いが、新しい土地に馴染む上で障害にならないか、というお話をしてきました。

子供たちの、新しい環境へ馴染む才能はすごいです。お母さん方は安心していただけたら、と思います。

新しい方言を話すお子さんの変化を楽しんでください。

そして、引越し直後は親御さんが、もしもからかわれた場合の対処の仕方を日頃からお話することも大切なことです。