引っ越しで意外な恋に発展
そのころの私は、住んでいたマンションへの不満がたまりにたまっていました。
学校を卒業して就職の内定をいただいたのはいいものの、配属先は3月末のぎりぎりの時期にならないと公示されないという決まりだったのです。
びっくりするほど遠くや離島に飛ばされることはありませんでしたが、知らされた配属先は行ったことのない町でした。
不動産情報をあつめようにも、入社式まであと一週間しかなく、今日明日のうちに決めてしまわねば引っ越しがままならない……ということで、適度な広さの適度な物件を選んで、大慌てで契約しました。
マンションに不満で
仕事にも慣れてきて、マンション暮らしにも慣れてきた6月頃、私はマンションに不満を持つようになっていきました。家賃が高いのです。
それに、どうせ選ぶならもっといろいろこだわりたかった。今からでもいいから選びなおしたい!!
ということで、ボーナスも出た秋ごろに、私は引っ越しを決意していたのです。
……という事情を、会社でもよく話していました。みんなのマンション事情やインテリアの趣味を聞くのも好きでした。
そんなとき、いよいよ引っ越しを現実化させようとしていると、ある同僚(男性)が声をかけてくれたのです。
自分で引越し からの
「県外への引っ越しなら業者に頼めばいいけど、近場に引っ越すだけなら自分でやった方が安いよ」
目からウロコでした。
引っ越しは業者に頼むものだと思い込んでいたのです。
たしかに、直線距離にしてもせいぜい3KM程度の引っ越しだし、自分でやれたらそりゃ安いだろうなと思いました。
……けど、冷蔵庫や洗濯機は一人で動かせないのでは!?
と、私が一人で色々と考え込んでいると、その同僚が「よかったら運搬手伝ってあげるよ」と言ってくれたのです。
お金もなかった私は、彼に引っ越しのお手伝いをお願いすることにしました。
そのことがきっかけで、引っ越し当日だけでなく、お礼と称してランチに行ったり、会社からいっしょに帰ったりと会う回数が増え、とうとう付き合うことになりました。
安く済んだし、彼氏もできたしで、いいことづくしの引っ越しでした。