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まさか破水?妊娠後期や臨月のおりものと、病気や破水との見分け方


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妊娠後期や臨月になると、おりものの量が急に増えたり、色が変化したりすることがあります。

急にこのような変化が起こると、「おしるしや破水なのでは?」と心配になるかもしれません。

きちんと事前に知識をつけておくことでこのような不安を払拭し、ストレスを減らせますので、今回はこのような変化について原因や注意するべき点をご紹介していきます。

そもそもおりものって何?

まずは、おりもの自体についてご説明していきます。普段からそのもの自体を知っていたとしても、あまり成分やなぜ出てくるのかについては考えたことがない方も多いのではないでしょうか。

おりものの名前の由来は、体から「おりてくるもの」ということ。子宮や膣などの分泌液が混ざった液体のことを言い、一般的には粘性があることが多いです。また、色は正常な状態であれば透明もしくは白っぽい色をしています。

そして、少し酸っぱいような匂いがすることが多いのですが、これは膣内にいる乳酸菌の一種が影響していることが原因です。

また、このおりものは、人によって量など様々な違いがあります。基本的には女性には誰でもあるものであり、おりもの自体に心配する必要はありません。

むしろ、体の中から出てくる分泌液のため妊娠中に関わらず、常にご自身の健康状態を色や量などの変化から知ることができるものでもあるのです。

子宮や膣などに異常が起きた際におりものの色や匂い、量などに変化が生じることがあるため、普段と異常があれば婦人科などへ相談することをおすすめします。

おりものの役割とは?

次に、おりものの役割についてです。おりものがあることで、膣の中を常に潤しておくことができます。

おりものは酸性のため、外から菌などが入ってこないように、防御してくれています。自浄作用もあるため、異常が起きた際におりものと一緒に体外へ排出する役割もあるのです。

また、適度な潤いが保たれることで妊娠しやすい体になります。

なお、基本的には透明や少し白っぽい色をしているのですが、排卵期に分泌されるおりものは特に透明になるのが特徴です。これは子宮への精子の侵入を助ける働きがあり、これにより妊娠しやすくなります。

このように、普段は少し厄介に感じてしまうこともあるおりものですが、実は体を守ったり異常を知らせたり、妊娠をサポートするなど様々な大切な役割を持っているのです。

妊娠後期におりものが増える原因と、おしるしや破水との見分け方

では、このようなおりものが、妊娠後期や臨月になって量が増えるのはなぜでしょうか。これは女性ホルモンのエストロゲンが影響しています。

女性は妊娠をするとエストロゲンの分泌が活発になるのですが、特に妊娠後期や臨月にはその分泌量が多くなります。それに伴い、おりものの量も増える仕組みです。

そのため、妊娠中の方にとっては、おりものの量が増えることは不自然なことではく、心配をしすぎる必要はありません。事前にこのような知識をつけておくことで、余計なストレスも緩和できますよ。

おりものは体の状態を知らせてくれる大切な役割を持っていると知っておくことで、状態をチェックして体調を確認することに活用するなど、気持ちにも余裕を持つことができます。

しかし、おしるしや破水では?と心配になることもあるので、その違いについてご紹介します。

おしるしの特徴

おしるしについてですが、この場合はおりものとは違い少し血が混じったような、赤やピンク、もしくは茶褐色のような色になる特徴があります。

少し色が混じっている程度であれば妊娠後期や臨月の時期にはよくあることなので、そこまで大きな心配をする必要はありません。もしも大量の出血や痛みを伴う場合には、かかりつけの婦人科へ相談したほうがいいでしょう。

また、おしるしはその名の通り出産に向けた一種のサインではありますが、すぐに生まれるわけではありません。

おしるしから赤ちゃんが生まれるまでの期間も人それぞれのため、慌てず医師と相談をしながら様子を見るようにしましょう。

破水の特徴

次に、破水とおりものの違いについてです。先に紹介したように、おりものは少し粘り気があることが特徴です。これに対して破水の場合は粘り気がなくさらさらとしており、色もありません。

そのためさらさらとした液体が、サーっと流れるように出てきた場合には、単なるおりものではなく破水の可能性を考えましょう。

また、匂いにも違いがあります。おりものは少し酸っぱいような匂いがしますが、破水の場合は少し生臭いような匂いがすることが特徴です。この違いによっても、おりものと破水の違いを確認することができます。

破水をした場合には、すぐに病院へ行くようにしてください。液体が出てきていると思うので、ナプキンや清潔なタオルをあてて行くといいでしょう。

おりものの変化から体に起きている異常を知ろう

おりものは様々な体の変化を知らせてくれることをご紹介しましたが、実際にどのような変化があった場合に注意をする必要があるのでしょうか。変化があった際に注意するポイントと、その原因の可能性についてご紹介していきます。

まず、おりものを見るときのチェックポイントとしては、匂い、かゆみ、色です。いつものおりものと比較して、明らかに色が違ったり、かゆみがあったり、匂いが異なる場合には、体調不良や感染症などの恐れがあります。

いくつか例を挙げてご紹介していきますね。

白色でポロポロとしている

このような状態に変化している場合は、カンジダ膣炎の可能性があります。この症状には強いかゆみが伴うことが多くあり、併せて症状が出ている場合にはすぐに病院へ相談をするようにしましょう。

黄色や黄緑色で、悪臭を放っている

このように、黄色や黄緑色へと変化して、腐っているような悪臭を放っている場合には、トリコモナス膣炎である可能性があります。

この症状にもかゆみを伴うことが一般的です。この状態になった場合もすぐに病院へ行くことをおすすめします。この症状を放置して悪化してしまうと、黄緑色から緑色へと色がさらに濃くなり、泡が混じったような状態へと変化する場合があります。

また、かゆみはだんだんと痛みへと変化していく傾向があるため早く受診したほうがいいでしょう。

黄色で痛みや発熱がある

おりものの色が黄色で、痛みや発熱がある場合には子宮内膜炎や卵管炎、また場合によってはクラミジア感染症の可能性があります。妊娠初期にクラミジア感染症の検査を行っていたとしても、万が一のことを考えて再度検査をしてもらってください。

まとめ

今回はおりものの役割や、変化が生じた際の原因などについてご紹介しました。

事前に妊娠後期や臨月に起こる変化について知っておくことで、実際に起きた際にも冷静に慌てず対処できます。

また、そのほかの変化と原因として考えられる知識をつけておくことで、何か違和感がある際にも放っておかずすぐに対処できるでしょう。