妊娠初期の腹痛と生理痛の違いは?いつから痛みはでるの?
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妊娠初期の体調の変化は初めての方だとわかりづらいものです。
普通の生理痛や腹痛と勘違いしてしまう事も!
赤ちゃんが欲しい方にとっては一大事。では、いつから腹痛がでるのでしょうか?妊娠初期にはどのような症状がでるのでしょうか?
妊娠と他の症状を見分けるため、少しの変化も見逃さないようにしましょう。
妊娠初期とは?
妊娠初期(妊娠超初期を含む)は、妊娠4ヶ月(15週)までをいいます。
妊娠した時の初期症状
妊娠するとホルモンバランスが大きく変化します。
女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されることにより、体に様々な痛みや違和感などを感じることもあるでしょう。
では、どんな痛みや違和感なのでしょうか?
生理の遅れ
予定日より1週間以上遅れていたら妊娠の可能性があります。
ただ、1週間遅れているからといって妊娠検査薬を使っても陰性になる可能性があります。その場合、もう少し日にち(具体的には3日から1週間くらいの間)をあけて再検査してみましょう。
着床出血
正確には月経様出血と言います。
出血の可能性は低いですが可能性はあります。そのため、普通の生理と勘違いしてしまう事もあるようです。後述します。
高温期が続く
日頃から基礎体温を付けていらっしゃる方は、体温の変化で妊娠に気づくこともあるでしょう。
吐き気
つわりです。匂いに敏感になったり、特定の食べ物を嫌う、好き嫌いが変わったりします。
胸が痛む
ホルモンの変化により、胸が張ったり痛くなったりします。
特に乳首が痛くなり、メラニン色素が増えることで色が濃くなったりします。
頭痛
鎮痛剤などを飲む場合、妊娠初期の体や赤ちゃんに悪影響を及ぼす物質などがあります。妊娠の可能性がある場合は、病院の先生や薬剤師さんにちゃんと伝えましょう。
肌の変化
ニキビができやすくなったり、シミや乾燥などがおきます。
鎮痛剤と同じように、肌荒れに効くサプリなどは妊娠初期の場合は飲まない方が良いです。どうしても気になる場合は病院の先生に相談しましょう。
精神の不安定
妊娠することでホルモンバランスが変化しておこります。
イライラしたり、悲しくなったりしますが、鬱などではないのでいったん落ち着いてください。
腹痛
おこらない方もいらっしゃると思いますが、多くの方々が感じるようです。
この記事はこの腹痛について詳しく書いていきます。
どんな腹痛?
感じる痛みや場所には個人差がありますが、生理痛に似ている、下腹部がチクチクする、足の付け根が痛いなどと言われています。
また、1日中痛みを感じる人、波がある人もいるそうです。
ホルモンバランスは便にも影響があるようで、便秘になる方や下痢になる方様々です。
妊娠したら便秘になる?
妊娠時の便秘は通常の便秘のようにお腹が張る、腹痛を催すだけではなく、頭痛や冷や汗などの症状を伴う場合があります。
どんなことが原因になるのか見ていきましょう。
ホルモンの影響
黄体ホルモンの分泌量が増えると便秘になりやすくなってしまいます。黄体ホルモンは体内の水分量を維持する働きがあるのですが、量が増えることにより大腸が活発になり、食べ物から水分を多く吸収してしまい便が硬くなってしまいます。
加えて、子宮の収縮を抑えるためにも黄体ホルモンは必要なのですが、同時に腸の動きも鈍くなり排出させる力が弱くなってしまうのです。
栄養バランスの変化
妊娠初期の症状につわりがあります。気持ち悪くなるからご飯を食べたくない、食べられない、日によって食べられるものが違ってしまう、同じものばかり食べてしまうなど。
バランスの良い食事をとる事ができなくなってしまうと、便秘になってしまいます。
無理に食べてはいけませんが、食べられる時には食物繊維が多く体に良い根菜類やたんぱく質(鶏肉やお豆腐など)を摂取するようにしましょう。具沢山のお味噌汁などは、食べやすくていいですよ。
運動不足
妊婦さんは安静にするものですが、安静にしすぎてはいけません。つわりや倦怠感、熱などで辛いとは思いますが、運動をしないと便秘になりやすくなります。
運動不足は血行を悪くし、腸が弱くなります。腹筋などの筋肉も弱くなってしまい、排出する力も弱くなってしまいますよ。
便秘にならないため、解消のためにも軽い体操や短めのウォーキングなどをしてみましょう。
水分不足
つわりがひどい時は水分も摂りたくなくなってしまいます。しかし、水分不足は便秘の元です。妊娠中は発熱していることもあり、水分はより多く必要になります。
カフェインの含まれていない飲み物、妊娠中だとごぼう茶がおすすめです。市販の物だと爽健美茶はカフェインが入っていないのでおすすめですよ。
ストレス
赤ちゃんができたり行動や食べ物に制限があったり、妊娠初期には不安やストレスがいっぱいです。
ホルモンの影響もあって、少しのストレスで自律神経が乱れてしまい、大腸が鈍くなったり過敏になってしまったりします。
過敏になってしまった場合、市販の便秘薬だと悪化の可能性もあるので注意してください。
腸の圧迫
子宮は妊娠の周期が進むごとに大きくなります。大きくなった子宮は隣接する器官の腸を圧迫します。
こればかりは妊娠している以上避けることはできません。
他の方法で解消できるよう努めましょう。
腹痛はいつから、いつまで?
これも個人差のあることですが、妊娠初期の腹痛は一般的には1ヶ月くらいでおさまることが多いです。まったく痛くない人、妊娠中期になっても痛い人もいます。
生理痛との違いは?出血したら?
痛みだけで生理か妊娠による腹痛かは分かりにくいですが、基礎体温、生理周期、妊娠検査薬などを見て妊娠かどうかを判断しましょう。
また、妊娠初期に出血した場合、どんなことが原因なのかも知っておきましょう。
着床出血
先述しました通り、生理と勘違いしてしまう事の多い出血です。
生理に比べ出血量が少なく2~3日でおさまりますが、稀に生理と同じくらい出血してしまう事もあります。生理周期に違和感・乱れる心当たりがあったら注意しましょう。
子宮膣部びらん
びらんとはただれているという事です。つまり、子宮膣部がただれている、もしくはただれているように見えるという事です。
原因は卵胞ホルモンと言われています。痛みや自覚症状はほとんどありませんが、血管が密集しているので性交、排尿、排便の刺激で出血する場合もあります。
違和感がなければ心配はありませんが、陰部に痛みやかゆみがあったり、オリモノが黄色く粘り気があったりする場合は子宮頸がんや膣炎、性感染症の可能性がありますよ。婦人科を受診しましょう。
絨毛膜下出腫
字だけ見ると恐ろしく感じますが、これは問題ない場合が多いです。
受精卵が着床した後絨毛という組織を、子宮内膜に根を張る時血管を傷つけて出血するからです。この血が多いと血腫になります。
ただ、血腫が大きくなると流産の可能性もあるので、安静にしていましょう。
胞状奇胎
胎盤の元となる組織が異常増殖する異常妊娠の1つです。妊娠の継続はできません。生理痛に似た痛みもあり、生理と勘違いしてしまう事もあります。生理が軽いと思ったら1度婦人科を受診しましょう。
子宮外妊娠
卵巣や卵管で着床してしまう事です。子宮ではないので赤ちゃんが育つことはありません。
しかし、細胞分裂は繰り返すので卵管を破裂させてしまうなどの大変危険な事態になる可能性があります。生理が重いと思ったら婦人科を受診しましょう。
流産と腹痛は関係ある?
流産の兆候で1番にあらわれる症状が腹痛です。特に妊娠12週までは流産になりやすいので注意が必要です。
妊娠初期の流産の原因は胎児の染色体異常と言われています。流産の場合、痛み方は他の腹痛と違いギューッと締め付けられるような強い痛みの場合が多いです。体温の低下やつわりなどの妊娠初期の症状がなくなった場合、すぐに婦人科を受診しましょう。
まとめ
妊娠初期の腹痛は出血することもあり生理と勘違いしてしまう事もあります。勘違いをして何かトラブルがおきてしまう前に、基礎体温、生理周期、痛み、その他の症状を確認してみましょう。